日韓歴史研究・第2期報告書「まず攻撃ありき」 残る韓国側への批判と疑問(産経新聞)

 平成13年の教科書問題を契機に始まった日本と韓国の学者、研究者で構成する日韓歴史共同研究委員会(日本側委員長、鳥海靖・東大名誉教授)は23日、第2期の報告書を公表した。古代、中近世、近現代史の分科会加え、今期から教科書小グループが新設され成果が注目されたが、約2年半の研究では韓国側が特に「新しい歴史教科書」を繰り返し批判。日本側には、「まず攻撃ありきで、議論は全くかみ合わなかった」と、韓国側のスタンスへの疑問と批判が強く残った。

 公表された報告書は論文48本と座談会や資料など約2200ページ。近現代史分科会と教科書小グループはテーマ設定で当初から難航、事実上のスタートに半年から1年近くを費やした。岡田克也外相は23日、「近現代史ということになると、かなりシビアな意見の違いがあると思うが、それ以前では共通する部分もある。議論で相互の認識が近づくわけだから、共同研究というのは意味あることだ」と述べたが、実際の研究で認識は平行線に終わった。

 教科書小グループで韓国側は論文8本中7本で日本の教科書批判の主軸に「新しい歴史教科書」(扶桑社)を引用した。たとえば『扶桑社の叙述傾向は侵略戦争の責任者である昭和天皇を平和主義者へと歪曲(わいきょく)』(辛珠柏延世大教授)と根拠を示さない分析内容で、日本側の不評を買った。

 日本の教科書検定制度の特徴についても、韓国側研究者は『戦前の軍国主義の時期の遺制』『天皇制国家の時期に形成された慣行の延長』(李讚煕韓国教育開発院碩座研究員)などと論評。日本側は批評文で「学問的な説明とはいえない」(山室建徳帝京大准教授)と一蹴(いっしゅう)した。

 第1期(平成14〜17年)の近現代分科会は、韓国側が「日韓併合条約の不法性」を主張し激論となったが、今期は日本側が昭和20年以降に光を当て、「映像」「漫画」「女性」などの切り口を提案した。だが、韓国側はこれらのテーマにも「日本の文化侵略」や「慰安婦問題」といった従来の姿勢を崩さなかった。

 日韓の歴史問題の“ガス抜き”をねらった外交上の副産物だった共同研究だが、国旗を背負った韓国側研究者はかたくなで、この枠組みでの研究継続には日本側委員からは見直すべきだとの声が聞かれる。

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